鉄骨110番

コラム変更時のダイアフラム等の材質

Question

コラムの材質は最近ではBCRの割合が多くなりましたが、依然としてSTKRとするものも見受けられます。必要なSTKRが市中になく、BCRで対応することがあるのですが、この際のダイアフラムおよびベースの材質はどのように考えたらよろしいでしょうか。例えば、設計図でSTKR400となっているのをBCR295に代替した場合に①元の設計のままSS400とする②BCR295に合わせてSN490C(通しダイヤ)、SN490B(内ダイヤ、ベース)を使用する――のどちらの対応が正しいのでしょうか。

Answer

STKR400は降伏点が245N/㎟以上、BCR295は295N/㎟以上となっています。許容応力度は、長期は3分の一、短期はその1・5倍となっています。
BCR295の基準強度(F値)がSTKR400より50N/㎟高くなっており、SNのB材に相当する溶接性能、変形性能を有している建築用鋼材であることから、その部材の損傷部位を保証するためには、接合部周りの部材耐力は柱材の母材耐力以上の耐力を保持しておくことが必要です。そのことより、Z方向に応力が作用する通しダイアフラムにはSN490C材を、内ダイアフラム、ベースプレートにはSN490B材を利用することをお勧めします。SN490B材については、溶接用鋼材のSM490A材を利用することも可と考えます。