鉄骨110番

現場ジョイントの裏当て

Question

「現場ジョイントの裏当ての厚さを12ミリにしなさい」と指示され、「9ミリを使うなら(それで良いという)根拠を示しなさい」ともいわれました。現場ジョイントは横向きなので突き抜けることは考えられず、なぜ12ミリが必要なのか理解できません。逆に12ミリとする根拠があるのでしょうか。

Answer

学会規準等では「9ミリ以上でよい」となっています(新JASS6では「裏当て金は母材に適し溶接性に問題のない材質で、溶落ちが生じない板厚を使用する」となっています)。柱梁継手部の現場溶接においてはルートギャップが通常の7ミリにおさまらず、10ミリを超えるようなケースも生じ得るので、その場合は初層の溶込みが深くなるため厚さ9ミリの裏当て材では不安だというケースも考えられます。
ただ、ボックスやコラム柱のジョイントは建ていれ時にエレクションピースで調整するので、大幅にギャップが生じる可能性は低いと思われます。9ミリの裏当て材で裏当てが抜けたとすれば、それは溶接技能者の技量の問題です。そもそも厚さ12ミリの裏当て材では曲げづらく、コーナー部の密着も悪くなります。よって、裏当て材の厚さよりも溶接技能者の技量が重視されるべきだと思います。