鉄骨110番

ABの締付確認が出来ない

Question

アンカーボルトの締め付けで、アンカーの位置が低すぎたり、周りに鉄筋が多く手が入らないなどの理由で、ナット回転法での締め付け確認が出来ないケースがあります。どのように現場施工したら良いのでしょうか。

Answer

アンカーボルトが締め付けられるかどうかを吟味しておくことは、設計時における重要なポイントであると考えます。更に、アンカーボルトを締めるときにどのような問題が発生するかを施工計画書作成時においても充分検討しておくことが必要です。施工計画書作成時点で周囲の鉄筋がアンカーボルト締め付け時に障害となるようであれば、柱脚部の鉄筋継手位置変更、配筋本数調整のために主筋径、鉄筋材料強度を大きくし本数を減らすなどの構造的配慮が必要となります。いづれの場合も構造設計者との調整が必要となります。
ご質問は上述したような調整もされず、現場に行ってみたらアンカーボルトが締め付けられない状況になっていたという場合どうしたらよいかという内容と解釈し、対応策を考えてみます。
対応策
①主筋を設計者の了解を得て外周部に折り曲げ作業スペースを確保する。但し鉄筋は折れやすいので、その曲げ角度は1/8~1/5程度が限界と考えられる。
②何とか締めた後に鉄筋間隔の多少あいている部分でトルクレンチでの確認をとる。
③鉄筋継手位置を締め付け可能な状況になるように一部鉄筋を切断し継手位置を変更する。(応力の大きいところでの継手となるので、設計者との調整が前提となる。)
いずれにしても、現場にての後手の対応に対し、設計者として許容できる良案はなかなか見当たらないのが正直なところです。