コラム構造で、ＲＦ階の水勾配の関係上通しダイアを勾配なりにいれて納めている場合（設計図書）の対処方法として、ダイアフラム厚をアップし水平加工しています。この場合も設計変更でしょうか。

ダイアフラムの板厚を設計図面で指定された厚さより厚くしたことにおける架構の保有耐力の変動はないと考えます。ダイアフラムの板厚が厚くなることで問題となるのはダイアフラムに使用している材料の材種、強度です。４０ミリを超える材料であれば許容応力度が変わってきます。例えばＳＮ４９０Ｂであれば４０ミリ以下のＦ値＝３２５Ｎ／平方ミリ、４０ミリを超えるとＦ値＝２９５Ｎ／平方ミリとなります（ＴＭＣＰ鋼の場合などでは強度の低減はありません）。以上のような点に注意をすれば、計で要求されている性能を満足できることが容易に判断できるディテールの変更に関しては、軽微な変更として扱われることとなっています。
国交省住宅局建築指導課長より国住指第８５８―１号（平成２０年５月２７日）において示されている内容によると、建築基準法に照らして「安全上、防火上及び避難上の危険の度並びに衛生上及び市街地の環境の保全上の有害の度が高くならない」ものであれば軽微な変更で対応が可能であると考えられます。
ダイアフラムを片方の通りに対し傾けて設置しても、直行する方向の通りの梁のフランジの納まりにおいて、問題が生じることとなりますので注意をしてください。