鉄骨110番

接合部のクリアランス

Question

スプライスジョイントの接合部やガセット接合のクリアランスは5ミリ、10ミリ、15ミリと物件により異なりますが、製作での間違いをなくすため、これを統一したいと考えています。施工図作図時に設計者へお願いしてOKがもらえればよいのですが・・・。
設計でクリアランスが10㎜となっていたものを5㎜で製作してしまった場合、構造的にはNGなのでしょうか。さらにその逆で設計に対してクリアランスが広くなった場合はどうでしょうか。

Answer

ここでの回答は、一般的に利用される板厚程度(36ミリ以下)を想定してお答えします。
クリアランスが10ミリから5ミリに狭くなり、構造設計者がNGを出すことはないと思います。施工上5ミリクリアランスで建方精度上問題が生じないことが前提です。
また、5ミリで指定されていたクリアランスが15ミリ、あるいは20ミリと広くなる場合は、スプライスプレートの当該クリアランスに曲げモーメント、せん断力、圧縮力が作用することとなり、圧縮力に対しては座屈の発生も考慮せざるを得なくなります。設計で指定されているスプライスプレートの板厚では不足する事態が発生する可能性もあります。10ミリ程度を限度とし、それ以上の大きなクリアランスを設定せざるを得ない状況が発生した場合は、構造設計者、工事監理者の確認と承諾を得るようにしてください。