鉄骨110番

ガセットプレートの材質

Question

ガセットプレートの材質について教えて下さい。弊社では小梁を受けるガセットの材質は、溶接する大梁の材質に合わせることを基本としており、大梁がSS400の時はガセットプレートもSS400に、大梁がSN400A、SN400Bの時はガセットプレートをSN400Bにしています。
大梁がSN490Bで小梁がSN400A、SN400B、SS400となった場合、ガセットプレートの材質はSN400Bでよろしいでしょうか。

Answer

大梁に取り付く小梁のガセットプレートは、小梁に作用するせん断力を大梁に伝達できる長期許容せん断力を有することが基本です。そのためにガセットプレートには、必要な断面積と必要な長期許容応力度を有する材料を選択することとなります。また、ガセットプレートは、大梁に隅肉溶接にて接合されることが一般的と考えます。隅肉溶接となることから、入熱による溶接部周りの割れを防止するため、ガセットプレートの板厚が16ミリを超えるような場合は、SM材、SN材を利用する方が良いと考えます。また、大梁にガセットプレートが取り付く位置が、大梁の塑性化する付近であれば、溶接に十分注意をする必要があります。大梁に強度低下を生じさせないこと、靭性の低下をさせないことなどに配慮する必要があります。大梁にSS400が利用される場合は、ブレース構造など大梁端部が塑性化する場合が少ない構造と思われます。その場合はSS400のガセットプレートでよろしいと考えます。また、SS400以外の大梁の場合には、部材に塑性化するゾーンが存在すると考えられ、小梁のガセットプレートに大梁の材料強度より低い、あるいは溶接性能の劣る材料を利用することはさけるべきと考えます。ガセットプレートの取り付けは大梁のウェブ部分とフランジ部分となるのが一般的であり、フランジ部分の溶接には、入熱量、溶接形状にも十分な注意が必要です。特に大梁フランジ端部の廻し溶接には、アンダーカット、端面の解け落ちに細心の注意が必要です。