鉄骨110番

柱現場溶接のエレクションの材質

Question

柱現場溶接部分のエレクションの材質について教えて下さい。
柱材質がBCP325の場合、エレクションの材質はSN490Bとしていますが、①柱材質がBCR295②柱材質がSTKR400――の両ケースの場合、エレクションの材質は何にすべきでしょうか。

Answer

■BCR295の特徴を以下に示す。
・ロール成形でありSN400Bに加えNの上限値を0・006%に規定。
・降伏点下限値は295N/㎟
・降伏点のレンジは厚さ12ミリ以上で150N/㎟以下
・降伏比:厚さ12ミリ以上で90%以下
・シャルピー吸収エネルギー:厚さ12ミリ超で27J以上
■BCP325の特徴を以下に示す。
・プレス成形でありSN490B及びCに加えNの上限値0・006%を規定。
・機械的性質はシャルピー吸収エネルギーなどをSN490B、SN490Cと同様27J以上。
■STKR400の特徴を以下に示す。
・降伏点は245N/㎟、F値(規準強度)は400N/㎟以上
・Cは0・25%以下、Pは0・040%以下、Sは0・040%以下

以上のような特徴となっています。エレクションピースは、角形鋼管の各辺の中央部に隅肉溶接、または完全溶込み溶接にて取り付けられています。基本的には、柱の曲げ応力の小さい部分に柱継手が設けられることより、柱中央部付近に設置されます。スキンプレートの母材強度を低下させることがないように配慮すべきです。BCR295にはSN400B以上、STKR400にはSN400B以上、あるいはSS400でも可能と考えますが、溶接により取り付けられることより、SN材の方が良いと考えます。